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高感度なウェスタンブロッティング検出のための工夫
CCDイメージャーのビニング機能について

近年、ウェスタンブロッティング検出に用いるCCD(Charged Coupled Device Image Sensor)イメージャーは、簡便に検出できるだけではなく、技術の進歩とともに非常に幅広い検出ができるようになっています。

従来は「定量性が優れているCCDイメージャー検出、検出感度が優れているX線フィルム検出」という認識が一般的でしたが、現在では、CCDイメージャーでの撮影条件を工夫することで、検出感度においてもX線フィルムと同等、またはそれ以上まで高めることができます。

ここでは、CCDと検出感度の関係をひも解きながら、“ビニング”と呼ばれる検出感度を高める工夫を中心にご紹介していきます。

CCDの受光面積が大きくなれば検出感度は向上する

CCDイメージャーでの検出において感度を高める方法はいくつかありますが、そのひとつが、「ピクセルあたりのCCD受光面積を大きくする」ことです。受光部の面積を大きくする手法としては、以下の3点が考えられます。

  1. CCD素子ひとつひとつを大きくし、チップ全体の面積を拡大する
  2. CCD素子の配置を工夫する
  3. CCD素子同士を仮想的に結合させる

1. CCD素子ひとつひとつを大きくし、チップ全体の面積を拡大する

CCD chip ⇒ CCD chip 拡大後

CCD素子を大きくすることでその集合体であるCCDチップ全体の面積を拡大し、1ピクセル*1あたりに割り当てるCCDチップ受光面積を増やす手法です。最も単純な解決方法ですが、CCDチップ全体に光が行き届くようレンズのイメージサークル*2も大きくする必要があります。残念ながら、現在の技術ではより大きなイメージサークルをもつレンズおよびCCDチップの開発・製造に大きなコストがかかるため、現実的な解決策ではありません。

*1 ピクセル:デジタルで画像情報を扱う際の最小単位のことです。デジタル画像を拡大表示すると、画像がピクセルの集合体であることがわかります。

*2 イメージサークル:レンズを通った光から、像を結ぶことができるエリアのことです。イメージサークル外では良好な画質が得られないため、イメージサークルの中にCCDのサイズが収まるように設計する必要があります。

2. CCD素子の配置を工夫する

CCD 従来配列CCDハニカム

ピクセル内の受光面積(効率)を大きくする手法です。例としてImageQuant LAS 4000シリーズに採用されている「スーパーCCDハニカム」が該当します。スーパーCCDハニカムについては、以前にご紹介した新イメージャーImageQuant LAS 4000シリーズでの高感度ウェスタンブロッティングをご参照ください。

3. CCD素子同士を仮想的に結合させる

ビニングなし ⇒ ビニング後

複数ピクセルを擬似的に結合させて1ピクセルとして扱い、1ピクセルあたりに含まれるCCD素子数=受光面積を増やす手法であり、これを"ビニング(binning)"と呼んでいます。微弱な化学発光の検出を行うイメージャーでは現実的かつ重要なテクニックです。

それでは、このビニングの原理についてご紹介します。

ビニング機能って何???

ビニングとは、CCDのチップ上で隣り合う素子のいくつかをひとまとめに扱うことにより、1ピクセルあたりの受光面積を仮想的に大きくして、感度を上げる技術です。

CCDの感度は、1ピクセルあたりのCCDの受光面積に比例しますので、隣接する縦横2つずつの計4ピクセルを1ピクセルとして扱えば、感度を大幅に上昇することができます

このビニング機能を使うことで、現在のCCDイメージャーの検出でも、X線フィルムと同等、もしくはそれ以上の高感度検出が実現しました。(ImageQuant LAS 4000シリーズでは、4段階のビニング設定が可能であり、最大で128画素分をまとめて1画素として扱うことができます。)

ImageQuant LAS 4000シリーズとX線フィルムでの検出比較感度

同等のサンプルを用い、X線フィルムとImageQuant LAS 4000シリーズで感度比較した結果が下図です。

実験条件
サンプル Transferrinを含むタンパク質混合サンプル(2倍の希釈系列でSDS-PAGE)
一次抗体 α-transferrin抗体(1/10,000)
二次抗体 Anti-Rabbit IgG, HRP-linked Whole Antibody(1/50,000)
検出試薬 ECL Plus Western Blotting Detection System (化学発光検出)

結果1:CCDイメージャーでの検出

CCDイメージャーで撮影した写真

検出条件
  • ImageQuant LAS 4010にて検出
  • 露光時間:60秒, Sensitivity:High(ビニング検出)、トレイポジション:1

結果2:X線フィルムによる検出

X線フィルムで撮影した写真

検出条件
  • Hyperfilm ECLにて検出
  • 露光時間:60秒, ImageScanner IIIにてスキャン

ImageQuant LAS 4010ではビニング機能(Sensitivity設定:High)を用いることで、定量性や画質に影響を与えることなく、X線フィルムと同等以上の感度で撮影することができました。ImageQuant LAS 4000シリーズでは、今回の検出条件よりも、さらに二段階検出感度を上げるビニング設定もあり、低発現タンパク質の検出も効率よく実施することができます。

ビニングは良いことばかりじゃない!?ビニング機能を使う時の注意点

これまでご紹介してきたように、ビニング機能を用いることで大幅に検出感度を上げることができますが、使う際には注意が必要な点もあります。

上で触れたように、ビニングとは「複数のCCD素子をまとめて、ひとつのCCD素子として扱う」ことであり、これは出力される画像のピクセル数が減ることを意味します。つまり、同じCCDイメージャーを用いている限り、画像のピクセル数=解像度と検出感度は"反比例の関係"にあり、ビニング機能を使うことは、撮影画像が荒くなる側面を持っていることを知っておくことが重要です。例えば、検出したいバンドの距離が近接している場合には、ビニングによって検出感度ばかりを優先させてしまうと、近接のバンドとシグナルが重なってしまう可能性があります。

ビニングでは解像度が下がることに注意して、「必要な解像度に応じてビニングの強さを調節する」ことが必要です。

ビニング以外にも、検出感度を上げる方法はたくさんあります

ビニングは検出感度を稼ぐためにとても便利な機能ですが、ImageQuant LAS 4000シリーズには、他にも検出感度を上げるためのさまざまな工夫が施されてあります。例として、上記に挙げた「スーパーCCDハニカム構造による受光面積の効率改善」や、「CCD冷却による微弱ノイズの削減」、「F値*3の小さいレンズの採用による集光率の向上」などがあります。

*3 F値:レンズの焦点距離・f値をレンズの有効口径の大きさで割った値で、すなわち【レンズの明るさ】を示す指標です。F値は小さければ小さいほど、そのレンズが明るく、より光を取り込みやすいことを示します。

その他、より高感度の化学発光検出試薬(例:ECL Prime Western Blotting Detection SystemECL Select Western Blotting Detection System)を用いることで、検出感度を向上させることもできます。

まとめ:ビニング機能を使いこなして信頼性の高い解析結果を

ビニングは検出感度を上げるのにとても便利な機能です。この機能を使いこなすことで、CCDイメージャーでの検出においてもX線フィルムでの検出と遜色がない程度に向上します。また、CCDイメージャーであれば、何度か条件を変えて検出することもできます。サンプルに合わせてビニングの強弱や露光時間を調節しながら最適な検出条件を探すことで、感度と定量ダイナミックレンジの双方において信頼性の高い解析結果を得ることができます。

ImageQuant LAS関連情報


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