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Location:ホーム実験手法別製品・技術情報BIA(生物物理学的相互作用解析) > 相互作用解析の王道

Presented by Dr. Kouhei Tsumoto
東京大学大学院
医科学研究所
津本 浩平 先生

用語集

記号 用語
kakass 結合速度定数
1/Ms 結合速度定数の単位
kdkdiss 解離速度定数
1/s、s-1 解離速度定数の単位
kapp 見かけの反応速度定数
KD 解離定数
M 解離定数の単位
KA 結合定数
1/M、M-1 結合定数の単位
ΔH エンタルピー変化
ΔG ギブスエネルギー変化
ΔS エントロピー変化
N 結合比、ストイキオメトリー
R レスポンス
RU レゾナンスユニット
Rmax 最大結合量
Req 平衡結合量
C アナライト濃度
アナライト
流路系に添加する分子をアナライトとよびます。
インラインリファレンス
相互作用測定時には、目的のリガンドを固定化していないフローセルをリファレンスとして利用します。Biacoreでは、複数のフローセルに連続してサンプルを流すことが可能ですので、リファレンスセルとリガンド固定化セルを同時に測定することができます。
エピトープマッピング
抗体が抗原のどの部分を認識するか調べることをいいます。Biacoreでは抗体をリガンドとし、断片化した抗原をアナライトとすることで反応部位を調べることができます。Biacore 3000では抗体と結合したアナライトを回収し、構造解析などにお使いいただけます。
キャプチャー法
リガンドに親和性のある分子を利用してセンサーチップに固定化する方法です。例えば、リガンドがタグ(GST、Flag、Fcなど)を有する場合、そのタグに対する抗体(キャプチャー分子)をセンサーチップCM5にアミンカップリングで固定化し、次に、リガンドを添加して抗原・抗体反応により、一時的に固定化(キャプチャー)します。その後、アナライトを添加して相互作用を測定し、リガンドごと再生します。サイクル毎にリガンドをキャプチャーするため、リガンド消費量が多くなります。
サーモカイネティクス
複数の温度条件で速度論的相互作用を解析する方法です。複数の温度における親和定数を基に、平衡状態における熱力学的パラメーター(ΔG°、ΔH°、ΔS°)を算出することができます。さらに、速度定数を基に、遷移状態における熱力学パラメーター(ΔG°‡、ΔH°‡、ΔS°‡)も算出できます。
シングルカイネティクス
表面プラズモン共鳴により屈折した角度を経時的にモニターしてグラフ化にしたものをセンサーグラムとよびます。横軸に時間、縦軸にRUをとっています(下図参照)。
センサーグラム
センサーチップ
生体分子が相互作用を起こす場を提供し、その表面で起こる質量変化をSPR シグナルに変換する役割をはたしています(下図参照)。ガラス面に金の層、その上にリンカー層を形成し、デキストランを共有結合させています。固定化する分子の種類によっていくつかのセンサーチップをご用意しています。もっともよく使われているカルボキシメチルデキストランをつけたCM5センサーチップをはじめ、His-tagタンパク質をキャプチャーするNTAセンサーチップ、デキストランではなく疎水面を持つHPAセンサーチップなどがあります。
再生
固定化したリガンドに対して結合したアナライトを強制的に解離させる操作です。固定化したリガンドをアナライトを添加する前の状態に再生するという意味から名づけられました。塩溶液、酸溶液、アルカリ溶液、界面活性剤溶液などを利用します。
表面プラズモン
金属中の電子が集まり金属の中を波のように進行して、波のように振動した状態をプラズマ波とよび、それを量子化して考えたときにプラズモンとよびます。特に金属表面上を走るプラズモンは表面プラズモンとよばれています。
表面プラズモンの模式図
表面プラズモン共鳴(SPR)
金属表面に光(電磁波)を照射して表面プラズモンを強制的に振動させ共鳴させることです。金属表面にぶつかった光は反射して屈折光となります。また、屈折光は金属表面上に結合している分子の分子量により角度が変化するという性質があります。その角度を測定して分子の結合の有無を検出しています。
Biacoreの検出システム
フローセル
センサーチップ上に形成される、反応の場をフローセルと呼びます。システム内蔵の流路系に溝が掘られていて、その上にセンサーチップが圧着することで、フローセルを形成します。システムによって2つまたは4つのフローセルを形成します。
リガンド
センサーチップの金属表面に固定する分子をリガンドとよびます。分子によって固定しやすさが異なります。
リガンド フィッシング
細胞や組織から抽出したクルードサンプルの中からリガンドと親和性のある分子を探し出す手法です。
理論的Rmax(RU)
固定化したリガンドが100%結合活性があると仮定した場合の、理論上(計算上)のアナライトの最大結合量(RU)です。以下の式で求められます。
RUの計算式
なお、1/2 Rmaxの結合量(RU)を与えるアナライト濃度(M)が解離定数(KD値)に相当します。
RU(Resounance Unit)
SPR 角度の0.1°の変化を1,000レゾナンスユニット(RU)と定義しています。1RU ≈ 1 pg/mm2に相当します。RIラベルしたタンパク質を固定化し、固定化量(RU)とラジオアイソトープの検出量から実験的に求めた結果です。
IFC
Biacoreシステムに内蔵されているカートリッジ形式のマイクロ流路系をIFCとよびます。定期的に交換することをおすすめします。
On-Off Rate Map(Kon/Koff マップ)
結合速度定数(ka)と解離速度定数(kd)を両軸にとり、分子の相互作用の特性をマッピングした図です。

相互作用解析の王道」について

相互作用解析の王道」は、2009年8月よりバイオダイレクトメールでお届けしています。

連載記事一覧
タイトル 配信
ご挨拶 連載「相互作用解析の王道」を始めるにあたって 2009年8月
第1回 原理:其は王道を歩む基礎体力 2009年10月
第2回 実践編その1:抗シガトキシン抗体の相互作用解析例 2009年12月
第3回 対談:アフィニティーを測定する際の濃度測定はどうする? 2010年2月
第4回 実践編-2:相互作用解析手法を用いた低分子スクリーニング その1 2010年4月
第5回 実践編-3:核酸-タンパク質相互作用の熱力学的解析 2010年8月
第6回 概論:タンパク質/バイオ医薬品の品質評価における、SPR/カロリメトリーの有用性 2010年11月
第7回 抗体医薬開発の技術革新~物理化学、計算科学との融合~ 2011年5月
第8回 対談:バイオ医薬品の品質管理技術の発展性~相互作用の観点から~ 2011年8月
第9回 対談:バイオ医薬品の品質管理技術の発展性~タンパク質の構造安定性の観点から~ 2011年9月
第10回 実践編-4:フラグメントライブラリーの測定におけるSPR/ITC戦略の実効性と効率的活用法(1) 2011年10月
第11回 実践編-4:フラグメントライブラリーの測定におけるSPR/ITC戦略の実効性と効率的活用法(2) 2011年12月
参考 用語集  
〈応用編〉連載記事一覧
タイトル 配信
第1回 抗体医薬リードのカイネティクス評価手法の実例 2012年5月
第2回 細胞表面受容体の弱く速い認識を解析する 2012年7月
第3回 SPRを用いた分子間相互作用測定における、“低”固定化量の重要性 2012年8月
第4回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(1) 2012年9月
第5回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(2) 2012年10月
第6回 「ファージライブラリによるペプチドリガンドのデザインにおける相互作用解析」 2012年11月
第7回 SPRとITCの競合法を用いたフラグメント化合物のスクリーニングとキャラクタリゼーション 2012年12月
第8回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(3) 2013年2月
第9回 熱分析とタンパク質立体構造に基づくリガンド認識機構の解析 2013年3月
〈最終回〉
最終回 連載「相互作用解析の王道」を終えるにあたって ~3年間を振り返って、そしてこれから~ 2013年4月

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関連リンク

津本先生の研究内容や論文などはこちら→津本浩平先生の研究室Webサイト
東京大学 医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリー


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