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バイオダイレクトメール vol.13 Technical Tips
  <塩基性タンパク質の二次元電気泳動パターンの再現性向上>

二次元電気泳動の泳動パターンに横すじ(ストリーキング)が現れることがあります。今回は塩基性領域のストリーキングを防ぎ再現性の高いデータを得るためのTipsをご紹介します。

ストリーキングと偽スポット

泳動パターン上のストリーキングや偽スポットは、二次元電気泳動結果の解析を行う際の障壁の一つとされています。一般に、下記のような場合に問題が顕著になる傾向がみられます。

  • サンプル添加量が多い場合
  • 一次元目のストリップが長い場合
  • 一次元目のストリップのpHレンジが狭い場合
  • 一次元目の泳動時間を延長した場合

この理由の一つと考えられているのが、DTTなどのチオール性還元剤の局在化です。還元剤は、二次元電気泳動を行う際にタンパク質の溶解性を上げる目的で、一次元目ゲルの膨潤時に添加されます。従来は2-mercaptoethanolが使用されてきましたが、還元には高濃度が必要なうえ、内在性の不純物の混入がアーチファクトの一因となる可能性も指摘されており、現在はDTTの使用がスタンダードとされています。DTTは、タンパク質のジスルフィド(S-S)結合を切断して立体構造を壊すことで溶解性を向上させますが(図1)、pH 8以上の塩基性領域においては、負に帯電するため(DTTのpKaは9.2前後)泳動により酸性領域側へ移動してしまいます。すなわち、一次元目のゲルストリップ上の塩基性領域では泳動中に徐々にDTTの濃度が低下していき、いったん還元されたタンパク質の非特異的な再酸化(ジスルフィド結合の再形成)が起こります。こうして、二次元目ゲルの塩基性領域で一つのタンパク質についてpI値の異なる複数のスポット(偽スポット)が検出されたり、水平方向の筋が出やすくなるのです。

この問題を解決するためにこれまでいくつかの方法(下記)が検討されてきましたが、いずれも塩基性領域の再酸化を防ぐ効果的な改善方法には至りませんでした。

  • (iodoacetamide、acrylamideなどによる)選択的なアルキル化
    • 反応をコントロールするのが難しく実用化には至らなかった
  • 非荷電性の還元剤(tributyl phosphine、trishydroxypropyl phosphineなど)の使用
    • 溶解性が低く、水溶液中で不安定なため還元剤としての機能を保持できない
  • 陽極側のDTTの局在化を防ぐための陰極(塩基性領域)側からのDTT添加
    • 期待した効果が得られなかった

新たな解決策:DeStreak Rehydration Solution/DeStreak Reagent

DeStreak Reagentは、Immobiline DryStrip膨潤時に膨潤液に添加して、タンパク質に-S-R基を結合して保護することによってタンパク質の再酸化を防ぐたいへん効果的な試薬です(図1)。

従来法とDeStreakの比較
図1 従来法での反応(a)/DeStreak Reagentによる「混合ジスルフィド」の形成(b)

DeStreak Reagentの場合、R-S-S-Rが反応系に多く存在していればpH 7以上では平衡が下に、すなわち「混合ジスルフィド」の形成方向(模式図bの中赤い矢印)に偏るため、システイン残基は完全に酸化されます。混合ジスルフィドは、一次元目と二次元目の間の平衡化ステップで還元されるため、二次元目の泳動やその後の質量分析に影響を与えることはありません。

DeStreak Rehydration Solution/DeStreak Reagent関連情報


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