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バイオダイレクトメール vol.12 Technical Tips
  <コプラナー PCBの測定方法>

PCB(Polychlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)は1881年、ドイツで開発され人工的に合成された物質で塩素含有量の異なる209種類の異性体で構成されています。化学的に非常に安定で耐熱性、絶縁性や非水溶性など優れた性質を持っているためコンデンサーや安定器などの電気機器や塗料・印刷インキなどに広く利用されてきました。しかし、PCBは生体内へ取り込まれやすくしかも残留性が高いという性質をもっており、蓄積すると皮膚障害などの影響が現れることが判明したため日本では1970年代には製造・輸入・使用が禁止されました。PCBの中で2つのベンゼン環が同一平面上に配置している構造を有し、ダイオキシン類注1)に分類される数十種類の異性体のことをコプラナーPCBといいます(図1)。

PCBの構造式とコプラナーPCBの代表例
図1 PCBの構造式とコプラナーPCBの代表例

平成12年のダイオキシン類の食品経由総摂取量調査研究報告書では、ダイオキシン類の1日の摂取量は平均72.7±18.9 pgTEQ/day注2)であり、そのうちコプラナーPCBは44.1±12.6 pgTEQ/dayであるとの調査結果が示されました。すなわち、コプラナーPCB は1日に摂取しているダイオキシン類の60 %を占めていることになります。必然的にコプラナーPCBに注目が集まるとともに、コプラナーPCBを測定する必要性も高まっています。従来法のGC/MS法(公定法)は、採取した試料を溶媒抽出し、クロマトグラフィーなどで精製してからGC/MSによって濃度を測定します。この方法では1~2週間という長い時間とコストがかかります。そこで迅速かつ低コストでPCB濃度を測定できるのがEIA法を用いた方法なのです。

弊社のEIA法を用いたキットにEnBio Coplanar-PCB EIA Systemがあります。このシステムはコプラナーPCBの中で環境中に最も多く存在する2,3',4,4',5-PeCB(#118)に親和性のある抗体を採用しています。抗体には交差性があり、他のコプラナーPCBとも一定の割合で結合します。この交差性を利用してコプラナーPCBの総量を推定することができます。公定法で測定したコプラナーPCBの毒性等量とEIA法で測定した場合の予測値との間には良好な相関関係があることが示されています。(図2)

GC/MSによるコプラナーPCB測定結果
図2 GC/MSによるコプラナーPCB測定結果とEIA法での予測値との相関
90サンプルの魚資料においてGC/MS分析により得られたコプラナーPCB濃度(毒性等量:TEQ値)とEIAでの予測値(GC/MSによる各異性体濃度測定値と本キットのコプラナーPCB各異性体に対する交差性から算出)をプロットしました。両者には良好な相関関係が示されています。

  • 注1)ダイオキシン類: PCDD(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)、コプラナーPCBの総称。皮膚・内臓障害、発ガン性や催奇形性などの毒性があります。
  • 注2)TEQ: Toxicity Equivalency Quantity (毒性等量)。ダイオキシンは化合物によって毒性の強さが異なるので毒性が最も強いとされる2,3,7,8-TCDDの量に換算した濃度(TEQ)で相対的な毒性を評価します。

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