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Location:ホームテクニカル情報配信サービスバイオダイレクトメールバイオ実験の原理と方法

バイオダイレクトメール vol.10 Technical Tips
<抗体精製のストラテジー>

ウェスタンブロッティング、免疫沈降、ELISAなどで用いられる抗体はバイオサイエンスの研究になくてはならないツールです。抗体は抗原を免疫した動物の血清や、マウス腹水、ハイブリドーマ細胞から精製して得られます。GEヘルスケア・ジャパンでは抗体作製の最終段階である抗体精製に関する製品をラインナップしております。今回のTipsでは抗体精製のストラテジーをテーマにお送りします。

はじめに
現在の抗体精製ではProtein A SepharoseあるいはProtein G Sepharose アフィニティー担体を用いた精製法が汎用されており、1回の工程で95%以上の精製度で回収することができます。より純度が高い抗体を必要とする場合はさらにSuperdex 200などのゲルろ過担体を組み合せて目的の抗体を精製します。しかし、アフィニティー精製では酸性条件で抗体を溶出するため、酸に不安定な抗体の場合には精製過程で失活することがあります。このような不安定な抗体は、イオン交換クロマトグラフィーを用いた温和な条件で精製する必要があります。

Protein A およびProtein Gの選択
Protein G はProtein Aよりも広い動物種のIgGに強い親和力を持つという特長があります(表1)。Mouse IgG1, human IgG3, および rat IgGs の精製ではより親和性が高い Protein G Sepharose の使用をおすすめします。Protein A Sepharose を用いてMouse IgG1を精製する場合には、バッファーの条件をアルカリ性かつ高塩濃度にするとProtein Aにより強く結合します。

少量の精製
少量の抗体を精製する場合にはProtein A Sepharose やProtein G SepharoseがプレパックされたHiTrapカラムが便利です。これらのHiTrap カラムには1 mlおよび5 mlの2種類のサイズがあります。シリンジで送液できるほか、ペリスタルティックポンプあるいはAKTAdesignクロマトグラフィーシステムに接続して使用することもできます。MAbTrapキットは20サンプル分の溶出バッファーとHiTrap Protein G HPカラム(1 ml )、シリンジを含み、はじめて抗体精製をなさる方に便利なキットです。

スケールアップについて
製造スケールでの抗体精製をお考えの場合は流速特性の優れたMabSelectで精製することをおすすめしています。

ポリクローナル抗体の精製
血清からのポリクローナル IgGの精製にはProtein G担体をパッキングしたHiTrap Protein G HP columnが使われます。

IgM 抗体の精製
HiTrap IgM Purification HP1mlカラムはハイブリドーマの培養上清(無血清培地を使用)からモノクローナルIgMを精製するのに効果的です。1カラム当たりのIgMの結合量は5 mgです。

卵黄からのIgY抗体精製
HiTrap IgY Purification HP 5 ml columnは卵黄からIgYを精製するために設計されたものです。1カラム当たりのIgYの結合量は100 mg (卵黄1/4個分)です。

アフィニティーカラム溶出後の抗体活性を保つために
低pH条件に放置すると抗体が失活しやすくなります。低pHにさらす時間を短くするため、あらかじめ溶出チューブに分画サイズの1/10~1/20量の1 M Tris, pH 9.0を入れておき、溶出後直ちに中和するようにしてください。

表1. protein A および protein Gの親和性の違い
Species Subclass
Protein A
binding*
Protein G
binding
Human IgA
variable
-
IgD
-
-
IgE
-
-
IgG1
++++
++++
IgG2
++++
++++
IgG3
-
++++
IgG4
++++
++++
IgM
variable
-
Avian egg yolk IgY
-
-
Cow  
++
++++
Dog  
++
+
Goat  
-
++
Guinea pig IgG1
++++
++
IgG2
++++
++
Hamster
 
+
++
Horse
 
++
++++
Koala
 
-
+
Llama  
-
+
Monkey (rhesus)  
++++
++++
Mouse IgG1
+
++++
IgG2a
++++
++++
IgG2b
+++
+++
IgG3
++
+++
IgM
variable
-
Pig  
+++
+++
Rabbit no distinction  
++++
+++
Rat IgG1
-
+
IgG2a
-
++++
IgG2b
-
++
IgG3
+
++
Sheep  
+/-
++

* +の数はリガンドと抗体の親和性の強さを表します。-は結合しないことを、+/-は弱い結合を示します。
† HiTrap IgM Purification HP columnsを用いて精製
‡ HiTrap IgY Purification HP columnsを用いて精製

抗体精製に関するより詳しい情報を掲載した『はじめての抗体精製ハンドブック』もございます。


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