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Location:ホーム実験手法別製品・技術情報アフィニティクロマトグラフィー

知っているつもり? みんなの疑問を解決します。
Q&A特別版 No. 02

タンパク質精製関連で年間5000件を越すお問合せをいただきますが、その中からよくあるお問合せに焦点をあてて、詳しい解説とともに皆さまへご紹介します。

今回のテーマ:カップリング担体の選択ポイントは?

カップリング担体は何に使う?

生物学的親和性を利用したクロマトグラフィー手法(アフィニティークロマトグラフィー)は非常に高い選択性を特徴としており、ワンステップのカラムクロマトグラフィーで高純度の目的タンパク質を精製することができます。クロマトグラフィーで利用される親和性には、抗原と抗体、酵素基質と酵素、DNAとDNA結合タンパク質などがあり、中でもProtein AやProtein Gタンパク質をリガンドとした抗体精製、Glutathion固定カラムによるGST融合タンパク質の精製、ニッケルなどの金属イオン固定カラムによるヒスチジン融合タンパク質の精製などは汎用性が高く多くの場面で使用され成果をあげています。

ここでは、任意の生体分子をゲル担体に固定化(カップリング)してアフィニティークロマトグラフィーを行う際のカップリング担体の選択について解説します。目的のタンパク質に親和性を持つ生体分子(リガンド)をゲル担体にカップリングし、細胞抽出液粗精製サンプルをカラムに通すことで効果的な精製が可能になります。

カップリング方法のバリエーション

リガンドは、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、アルデヒド基など、反応性のある官能基部分を介して結合します。リガンドの結合部分に関する情報がない場合、系統的な条件検討が必要になります。通常の使用において結合への影響がもっとも小さい部分を介してリガンドをカップリングし、影響を最小限におさえます。

弊社のカップリング製品には下表のようなものがあります。

担体の特徴の表
表1.カップリング担体の特徴
*1 pH安定性はリガンド自身の安定性によってより制限される場合があります。
*2 SH基を用いたカップリングの場合、Epoxy-activated Sepharose 6Bは共有結合、Thiopropyl Sepharose 6BActivated Thiol Sepharose 4Bはジスルフィド結合でカップリングされます。
*3 ゲルマトリックスとリガンドをカップリングする活性基との距離を示します。

1:HiTrap NHS-activated HPNHS-activated Sepharose 4 Fast Flow

一級アミノ基を含むリガンド(抗原や抗体などタンパク質全般)と共有結合によってカップリングするように作成されており、免疫特異的な担体の調製にも最適です。担体は高度架橋アガロースビーズで、N-Hydroxysuccinimideで活性化されています。カップリング反応は自発的で、特別な試薬や装置を必要としません。この担体は高pHでも安定で、過酷な洗浄法に耐性があります。

リガンドとNHS-activated Sepharoseのカップリングの模式図
図1. リガンドとNHS-activated Sepharoseのカップリング

2:CNBr-activated Sepharose 4BCNBr-activated Sepharose 4 Fast Flow

高分子のリガンドを結合させる場合やNHS-activated Sepharoseの代わりとして定評のある担体です。タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸は穏やかな条件下で一級アミノ基または類似の求核性官能基を介してCNBr-activated Sepharoseにカップリングできます。NHSと同様カップリング反応は自発的で、特別な試薬や装置を必要としません。反応の結果生じるマルチポイント結合により、リガンドは担体から加水分解されなくなります。この反応法ではSepharoseも架橋させ、それによって安定性が強化されるため、溶出条件の選択できる幅が非常に広くなります。

臭化シアンによる活性化と活性化担体へのカップリングの模式図
図2. 臭化シアンによる活性化と活性化担体へのカップリング

3:EAH Sepharose 4BECH Sepharose 4B

リガンドは、カップリング試薬カルボジイミドの存在下で簡単な一連の反応でカップリングされます。EAH Sepharose 4Bはカルボキシル基を持つリガンドと、ECH Sepharose 4Bはアミノ基を持つリガンドとカップリングできます。

EAH Sepharose 4BおよびECH Sepharose 4Bの部分構造図
図3. EAH Sepharose 4BおよびECH Sepharose 4Bの部分構造

反応系
図4. カルボジイミドカップリング反応

4:Epoxy-activated Sepharose 6B

ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基を持つリガンドのカップリングに使用されます。長い親水性のスペーサーアームがあるため、コリン、エタノールアミン、糖類などの低分子リガンドのカップリングに特に有用です。

Epoxy-activated Sepharose 6Bの部分構造図
図5. Epoxy-activated Sepharose 6Bの部分構造

5:Thiopropyl Sepharose 6B

さまざまな低分子リガンドをカップリングさせてアフィニティー担体を作成するために使用できます。重金属やその誘導体は、mercaptides(金属-チオール結合)を形成するチオール基と反応させるリガンドとして使用できます。アルキル化リガンドまたは、ハロゲン化アリルリガンドは、チオエーテル誘導体を形成します。C=O、N=N、そしてある種の条件下でC=C結合を持つリガンドは、付加反応の対象となります。

チオール基の反応
図6. チオール基の反応
混合ジスルフィド結合(1)、dithiothreitol (DTT)など還元剤による逆反応(2)、2, 2'-dipyridyl disulphideとの混合ジスルフィド結合、コバレントクロマトグラフィーに適した2-thiopyridylを形成(3)。重金属およびその誘導体、たとえばp-chloromercuribenzoateとの反応(4)では、mercaptideを形成。アルキルまたはハロゲン化アリール処理で、チオエーテル誘導体を生成(5)。付加反応(6)は、C=O、C=C、およびN=N結合を持つさまざまな化合物との間で可能。

よくあるご質問

  • NHS-activated Sepharose 4 Fast FlowCNBr-activated Sepharose 4Bはどちらも一級アミンと反応しますが、どちらを選択したらいいですか?
  • 両担体の違いを中心にご説明します。
    1. カップリング反応時間の違い
      NHS-activated Sepharose 4 Fast Flowの方が短時間(NHS:15~30分、CNBr:2時間)でカップリングが完了しますのでより簡便性を求める場合にはNHS-activated Sepharose 4 Fast Flowをおすすめします。
    2. スペーサーの有無
      ベース担体とリガンド結合部位の間に存在するスペーサーの有無で(スペーサー:立体障害による影響を軽減し、リガンドと目的分子の結合を向上させる)、NHS-activated Sepharose 4 Fast Flowはスペーサーがあるため、低分子物質(ペプチドなど)をリガンドとするような場合はNHS-activated Sepharoseの方が有効です。(リガンドが小さいと、高分子物質がターゲットとなるときに、立体障害により結合が十分に行われなくなるため)
    3. ベース担体の強度
      4Bと4FFとはベース担体の強度が異なります。
      4Bは架橋処理されていないため、物理的強度が弱く、高流速で送液することができません。そのため、システムで精製する場合は4FF担体をお薦めします。CNBr-activated Sepharoseの場合、4FFがありますので、システムで行うときには4FFをご紹介しています。
    上記の点ではNHS-activated Sepharoseの方が優れているため、ラボスケールではNHS-activated Sepharoseをおすすめしています。
  • では、CNBr-activated Sepharoseがおすすめなケースは?
  • 精製スケールが大きくなる場合(パイロットスケール以上)、上記1のカップリング反応の時間が短いということが裏目に出る場合があります。カップリングは使用するゲル全体に、まんべんなくリガンドが結合することが理想となります。ゲル量が少ないと、容易にリガンドとなる物質がゲル全体に行き渡るため、カップリング効率が高くなりやすいのですが、ゲル量が多くなると、リガンドとなる物質が全体に行き渡る前にカップリング反応が終了し、カップリングのムラが生じやすくなります。
    CNBr-activated Sepharoseは反応時間が長いため、カップリングがムラなく行われやすくなる、という特徴が生まれます。

    またCNBr-activated Sepharoseは乾燥状態での供給で1mM HCl(冷却)で膨潤させるだけですが、NHS-activated Sepharoseは100%イソプロパノールで膨潤された状態で供給され、1mM HCl(冷却)に置換するという作業になります。使用量が多くなると、イソプロパノールの処理(除去)が大変になります。
    そのため、スケールアップを前提に実験を進められる場合は、CNBr-activated Sepharose FFを第一候補として紹介しています。

    個々のケースにより、上記と異なることはありますが、ラボスケールは簡便さを優先してNHS-activated Sepharoseを選択、製造を視野に入れたスケールの場合は安定性を優先してCNBr-activated Sepharoseを選択、ということになります。

    また論文などではCNBr-activated Sepharoseを使用している例が多く見受けられます。これはCNBr-activated Sepharoseの開発が早く歴史が長いからです。

    カップリング条件の詳細などはアフィニティークロマトグラフィー ハンドブックはじめてのリガンドカップリング ハンドブックを参照ください。

その他のカップリング担体の使用例

Streptavidin Sepharose High Performance / HiTrap Streptavidin HP

ビオチンとストレプトアビジンの強固な結合を利用して、ビオチン標識リガンドを固定することができます。

Protein G HP SpinTrap / Protein A HP SpinTrap

Protein G Sepharose HP、Protein A Sepharose HPが充填済みのプレパックのスピンカラムです。通常の精製法のほか、抗体をカラムに吸着後、架橋剤を用いて抗体をカラムに固定化するクロスリンクプロトコールがあります。


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