トップページに戻る

検索のヘルプ

Location:ホームテクニカル情報配信サービス > Pure Protein Club

あなたのカラムは大丈夫?
~ゲルろ過カラムの診断~

superdex 製品画像

ゲルろ過カラムにはベースマトリックスのみのシンプルなゲルが充填されていますが、ゲルの種類、充填状況、使用するバッファー、サンプルの状態などにより分離能が影響を受けます。

分離能が悪くなった、と感じる場合や、ピークパターンが変わってきたという時は、一度カラムの状態をチェックされることをおすすめします。


ゲルろ過カラムのチェックポイント

カラムの劣化は分離能に大きく影響するため、定期的な劣化状態の確認が必要です。
一般的には、理論段数(N/m)とピークの対称性(As)を確認します。理論段数は、1mあたり何段のゲル層が形成されているかを理論上算出した値になります。この値が高いほど、密に充填されたことを意味します。対称性は、クロマトグラムのピーク形状の指針となる値です。この値が1に近づくほど、対称性が高くなります。また、これらの値は使用する装置によっても変わることがありますので、定期的に測定することが重要になります。AKTA制御用ソフトウェアUNICORNには上記値を算出する機能が標準装備されています。

なお、ゲルろ過クロマトグラフィーの分離能は、カラムの劣化のほかに次のような条件によっても大きく左右されます。劣化を疑う前に以下の条件についてもご確認ください。

  • 流速
     流速を上げるとピーク幅が広がります
  • サンプル体積
     サンプル体積が多いとピーク幅が広がります
     ※初回の実験ではカラム体積の0.5~5 %を目安にしてください。製品マニュアルのSample Volumeに記載されています。
  • サンプルの溶解性
     粘性が高いサンプルでは、ピークがブロードになったり、テーリングが起きやすいです。
     ※サンプルが完全に溶解する溶出液をご使用ください。
  • ゲルの粒子径
     
    粒子径が小さい担体ほど、分離能が優れています。
  • カラムの出口に接続する配管の内径、長さ
     
    配管が太くて長い場合は、カラムで分離後に配管の中で成分が拡散してしまう可能性が大きいです

理論段数と対称性の測定方法

理論段数と対称性は、次のような方法で測定できます。

  • パッキングしたカラムに蒸留水を送液して平衡化します。

  • パッキングしたカラム体積の0.2 %のアセトン(10 mg/ml in water)を添加します。

  • アセトン添加時からピークが検出されるまで、またシグナルがベースラインに戻るまでの間、280 nmの吸光度をモニタリングします。

  • 次の数式で理論段数(N)と対称性(As))を算出します。(図1

    理論段数(N)
    N = 5.54(Ve/W1/22×1000/L
      Ve= 溶出ピークの体積
      W1/2= ピークの半値幅(ピーク高さの1/2の位置で測定したピーク幅)
      L = ベッド高(mm)

    対称性 symmetry factor(As)
    As= b/a
      a = ピーク高さの10 %の位置で測定した前半幅値
      b = ピーク高さの10 %の位置で測定した後半幅値


図1 理論段(N)・対称性(As)を決定する数値因子
カラム効率 数値説明図
つづいて、算出した値に基づき、カラム性能評価を行います。
理論段数については、製品ごとに推奨値が定められてます。
詳細は担体の製品マニュアルをご覧ください。
対称性に関しては、1が理想的な数値ですが、一般的には0.70~1.50の範囲であれば大きな問題なく使用できます。
以下にカラム効率の推奨値の実例を示します。

 Superdex pg
  効率 N>10,000
  ピーク対称性 As = 0.70~1.30

 HiPrep Sephacryl
  効率 N>5,000
  ピーク対称性 As= 0.80~1.50




カラムに問題があった場合の対処方法


理論段数・対称性を測定した結果、もしカラムが使えないと判断したら、カラムの状態にあわせて次のような対処を施します。

外見上、カラムに異変がある場合

(1) カラム上部に隙間がある
つぶれてしまった担体は再生不可能ですが、アダプターを下げて隙間をなくせば使用できる場合があります。 ただし、カラムフィルターの目詰まりによって高圧となり、カラム上部に隙間ができる可能性もあります。その場合は「(2) カラムが汚れている」の項目に記載の方法をお試しください。

(2) カラムが汚れている
フィルターが目詰まりしている可能性があるので、はじめにフィルターを交換してください。その後、アルカリ洗浄など、サンプルの性質に適した溶媒でカラムを洗浄してください。詳細は製品添付書をご参照ください。ただしHiTrap、HiPrepはフィルター交換できません。

(3) カラムにエアーが入って白く見える(乾燥している)
カラム内に亀裂が入っている場合は回復できませんが、低流速で超純水を流してカラム内の空気を追い出してください。

カラムの充填状態に問題がある
上記の対処をしても理論段数が激減したままであったり、ピークのテーリングまたはリーディングが激しくカラム性能が回復しない場合は、カラムの充填状態に問題がある可能性があります。この場合は二つの選択肢があります。

 カラム全体を買い替える(プレパックカラム)
 担体を再充填する


充填に慣れていない方、充填の手間を省きたい方は充填済みのプレパックカラムをおすすめしますが、充填の経験が豊富な方や、プレパックカラムが無い場合は後者の方法をご選択ください。パッキング方法に関しては、担体の製品マニュアルに詳細が記載されています。充填の際にはリザーバーが必要となります。充填が終了したら、診断時と同様に理論段数・対称性を測定し、カラムの充填状況の確認をします。

カラムへのゲル充填は職人技、という方もいますが、誰でもはじめは初心者です。弊社では充填方法を収録した「Column Packing The Movie」(コード番号:18-1165-33)を販売しています。英語解説ですが、百聞は一見にしかず、ぜひ一度ご覧ください。理解を深めていただけます。なお、カラムの充填に問題がない場合でも、サンプル特性や溶解度などによって分離に影響をおよぼす場合があります。その場合はバイオダイレクトラインまでご連絡ください。


お問合せフォーム(2営業日以内にご連絡いたします。お急ぎの場合は、お電話でご連絡ください。)
※よくあるお問合せとご回答(FAQ)はこちらでご覧いただけます。
お問合せ内容[必須] お名前[必須]  
ご所属[必須]
E-mail[必須]
電話[必須] - - (内線
ご入力いただく個人情報につきましては、弊社プライバシーポリシーに基づいて厳重に管理いたします。
下記の 「個人情報の取り扱い」を確認の上、同意いただける場合は「同意する」を選択してください。[必須]
個人情報の取り扱い
同意する