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Capto - プロセス用クロマトグラフィー担体の新しいプラットフォーム

新しいアップストリーム技術の発展にともないタンパク質発現レベルが向上し、供給量が1シフトあたり15,000 Lを超えるようになりました。このような状況から、そのタンパク質を処理するダウンストリーム工程の改善が強く要求されています。Capto担体は、単位時間あたりの処理容量およびタンパク質結合容量を増加した担体であり、吸着から中間精製の間に大量のタンパク質を処理することができます。


3種類の特徴的な担体

Capto担体は、アップストリームでの新しい挑戦に対し、迅速、柔軟、かつ高い費用効果をもって問題を解決できるようデザインされています。ベースマトリックスの剛性が高いため、従来の担体と比べ、ベッド高を高くしたり、単位時間あたりの処理容量を増加することが可能です。また、タンパク質結合容量が高いため、少ない製造サイクルで高い生産性を得ることができます。このような特徴を持つCaptoプラットフォームには、強陰イオン交換体のCapto Q、強陽イオン交換体のCapto S、耐塩性かつ多様な結合選択性を持つ弱陽イオン交換体のCapto MMCがあります(表1)。

表1. Capto担体の特性
Capto Q Capto S Capto MMC
イオン交換基 強陰イオン 強陽イオン 多様結合性-弱陽イオン
マトリクス

高度架橋アガロース(高流速対応)

平均粒子径 90 μm 90 μm 75 μm
イオン交換容量 0.16~0.22 [mmol Cl-/ml] 0.11~0.14 [mmol Na+/ml] 0.07~0.09 [mmol H+/ml]
圧力/流速特性* 3 bar at 700 cm/h 3 bar at 700 cm/h 3 bar at 600 cm/h

* カラム内径:1 m、ベッド高:20 cm、H2O(または同等の粘性を持つ溶媒)使用の場合

高い耐圧

Capto担体の最も重要な特徴は、剛性の高いアガロース構造から成るベースマトリックスです。新しい架橋技術の成果として、このアガロースマトリックスは、並外れた機械的安定性と最適な多孔構造を備えています。ほかに、親水性、優れた化学的安定性、規制当局により広く認知されているなど、実証済みのアガロースの特徴もすべて備えています。

剛性が高いという特長を生かして、大規模なクロマトグラフィー操作を他のアガロース担体よりも高いベッド高および高い流速で行なうことが可能です。すなわち、より大量の発酵液を短時間で処理することができます。さらにCapto担体は機械的安定性が高いため、高粘度の原液を処理することも可能です。希釈の必要性がなくなるので、サイクル時間の短縮に貢献します。図1は、大規模クロマトグラフィーにおける圧力/流速特性について、CaptoベースマトリックスおよびSepharose 6 Fast Flowの比較結果を示しています。2つのマトリックスは粒子径や孔径など多くの物理的特性が類似していますが、Captoベースマトリックスの圧力/流速特性はSepharose 6 Fast Flowと比較して非常に優れていることが分かります。

Capto Qは圧倒的に圧力/流速特性が高い
図1. CaptoベースマトリックスおよびSepharose 6 Fast Flowの圧力/流速特性の比較
実験条件:BPG 300(内径30 cm)、大気圧で静置時のベッド高23 cm、20℃の水を使用

自由度の高いプロセスデザイン

Capto担体は機械的安定性が優れているため、カラム寸法およびプロセスデザインを幅広い条件で検討することができます。最終スケールでベッド高の低い大口径カラムを用意する必要がなく、高いベッド高の小口径カラムを使用することが可能です。その結果、設備投資と設備スペースの双方を節約することができます。これは、「操作可能な範囲を広げる」という点にも関連しており、ベッド高が20 cmを超えるような精製デザインであっても高い流速で処理することが可能です(図2)。

高いベッド高でも高流速処理に対応
図2. ベッド高および流速から予測した、1 m径カラムにおけるCapto(青)およびSepharose 6 Fast Flow(赤)の操作可能範囲
緑はカラム滞留時間(分)を示しています。

生産性の高いイオン交換体

Capto QおよびCapto Sは強イオン交換担体であり、高流速で高い動的結合容量を備えています。これにより生産性が向上し、大規模製造にも適用することが可能です。陰イオン交換体であるCapto Qには4級アミノ基、陽イオン交換体であるCapto Sにはスルホネート基を荷電基として採用しています。荷電基はdextran surface extenderを備えたベースマトリックスに結合しており、dextran surface extenderにより結合容量および物質移動特性(mass transfer properties)をさらに向上しました。

Capto担体、およびSepharose 6 Fast Flowについて生産性を算出し比較したところ、Capto担体の生産性はSepharose 6 Fast Flowの3倍以上でした(表2)。また、Capto QではGFP(green fluorescent protein:緑色蛍光タンパク質)100 kg、Capto Sではα-キモトリプシン100 kgを24時間で吸着・回収できることが示されました。この所要時間はSepharose 6 Fast Flowで同処理に要する時間の1/3以下です。このように、Capto担体は短時間で高収量の目的タンパク質を得ることができるため、製造現場において大きな可能性を有していることがわかります。

表2. Capto QおよびCapto Sの生産性の算出結果
担体 サイクル時間(分) 生産性(kg/m3, h) 必要担体重量(L) *
GFP(Green fluorescent protein)
Capto Q 91 11 400
Q Sepharose Fast Flow 190 3 1400
α-chymotrypsin
Capto S 131 53 80
SP Sepharose Fast Flow 229 17 250

Capto MMCの耐塩性

Capto MMCは上記のCaptoベースマトリックスの利点に加えて、高塩濃度下でタンパク質を結合できる能力をあわせ持っています(図3)。つまり、あらゆる標準的なフィード液の電気伝導度下でタンパク質を結合させることができるため、清澄化したフィード液を送液前に希釈する必要がありません。これによりバッファーの費用、処理時間、および設備スペースを節約することが可能です。

Capto MMCが塩濃度の高低にかかわらず一定して高いパフォーマンスを発揮できるのは、標準的な陽イオン交換リガンドとは異なる多様な結合選択性に起因します。Capto MMCのマルチモーダルリガンドは弱陽イオン交換基の性質だけでなく、水素結合、疎水性相互作用などさまざまな結合作用を持ちます。これらの相互作用の強さが処理条件に依存して変化することで、多様な結合選択性を獲得しています。

塩濃度が高くても結合します
図3. 電気伝導度の異なる3種類のタンパク質に対するCapto MMCの動的結合容量
リゾチーム(緑)、β-ラクトグロブリン(青)、BSA(赤)

まとめ

Capto担体プラットフォームは、大量のフィード液を効率的かつ経済的に処理するために開発されました。Capto担体の剛性により、流速、ベッド高、サンプル粘度に対する操作可能な範囲が広がるため、カラムの取り扱いが容易になり、処理費用を節約できます。これら3種類の担体については、十分にバリデートされた方法により製造を行っており、プロセスバリデーションおよび規制当局への申請に役立つRegulatory Support File(RSF)についてもご提供しています。


 補足

■データファイル(英文)
Capto Q/S (PDF:617KB)
Capto MMC (PDF:350KB)

■アプリケーションノート(英文)
High-productivity capture of a-chymotrypsin on Capto S cation exchanger (PDF:523KB)
Screening and optimization of the loading conditions on Capto S (PDF:554KB)
Capto S cation exchanger for post-protein A purifi cation of monoclonal antibodies (PDF:523KB)
High productivity capture of green fl uorescent protein on Capto Q (PDF:1.9MB)
Optimizing elution conditions on Capto MMC using Design of Experiments (PDF:140KB)


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