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バイオダイレクトメール vol.33 Technical Tips
<あなたもRNAi実験を始めませんか?>

はじめに

RNAi(RNA interference)とは二本鎖RNA(dsRNA)によって配列特異的にmRNAが分解されて、タンパク質への翻訳が阻害され、最終的に遺伝子発現が抑制される現象です。今日、医学・生物学・工学などのさまざまな分野において、RNAiは生命現象や疾患にかかわる遺伝子の機能解析するためのツールとして利用されています。また、遺伝子発現を抑制することから、疾患にかかわる遺伝子の機能を抑制する治療薬としての期待も高まっています。

RNAiの発見

今日、RNAiの生命現象は広く生物種に存在していると考えられていますが、この現象が最初に発見されたのは90年に植物で報告された「共抑制」と言われています。その後約10年の歳月を経て、さまざまな生物における遺伝子特異的な発現抑制の現象が報告され、植物では「転写後抑制(PTGS)」、「相同的遺伝子抑制(HGS)」、真菌では「quelling」として報告されています。そして、線虫で発見された「RNAi」と呼ばれる現象が、今日の「RNAi」の一般的な名称として市民権を得ました。現在では、RNAiの機構は、祖先の細胞がウイルスゲノムの侵入や異常な転写産物の除去のために発達させた防衛機能などが、現在の生物にも進化的に保存されたものであると考えられています。

RNAiの作用機序

近年の研究から、特定の標的mRNAに配列特異的な相同性のあるdsRNAがRNAiの引き金になっていることが明らかになりました。RNAiは、dsRNAがRNaseIIIファミリーに属するDicerと呼ばれる酵素によって分解された21~25塩基の二本鎖RNAで、複数のタンパク質で構成される複合体RNA Induced Silencing Complex(RISC)に組み込まれて、活性型RISCになります。そして、この活性型RISCは、組み込まれたRNA配列を利用して標的mRNAを認識し、発現しているmRNAを特異的に分解します。

複数のタンパク質と相互作用してRISCを形成するsiRNAがRNAiを用いた研究の鍵となります。

RNAiの利点~KnockoutからKnockdownへ~

ある特定の遺伝子(タンパク質)の機能解析を行う場合、その遺伝子を消失させた場合の変化を解析する方法として、遺伝子を欠損した(knockout)動物を作製して解析を行うアプローチがあります。しかし、ゲノムDNAから特定の遺伝子を欠損したknockout動物を作製するには、技術や時間がかかるため、効率よく解析を進めることが難しいのが欠点です。また、時間や労力をかけてknockout動物を作製しても、標的遺伝子の欠損を補うように働く遺伝子がある場合には、それらの遺伝子全てをknockoutしなければならない場合もあります。さらに、遺伝子を欠損させた動物は発生過程で致死に至る場合もあり、この場合には生後の遺伝子の働きを解析することが極めて困難です。

その後、knockoutよりも手軽に遺伝子の機能を消失させる方法として、アンチセンスDNA、リボザイム、キメラオリゴなどを用いる手法が登場しました。これはmRNAからタンパク質の翻訳のステップを阻害することで最終的にタンパク質発現を抑制する方法で、実験操作は簡便なものでしたが、阻害効果を示すためのDNA配列の設計が難しく、また十分な効果を得るためには多くの予備実験を行う必要がありました。

既存の方法がもつ問題を解決する方法として、近年RNAiが登場しました。21~25塩基のdsRNAを導入するだけで遺伝子発現を抑制し、遺伝子機能を効率的に解析することが可能となりました。RNAiによる遺伝子機能の抑制は、ゲノムDNAを破壊(knockout)するのではなく、単に遺伝子発現を抑制するだけなので、knockdownと呼びます。この簡便さから、RNAiは、分子生物学研究に欠かせないツールとして定着してきており、in vitroのみならずin vivoでの解析がますます精力的に進められています。

 

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