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RNAi

2016-08-25 18:30:00

shRNA実験の低ノックダウン効率で困っている方必読。
shRNAアンチセンス鎖のRISCへの優先的な取り込みを実現!

皆さま、こんにちは。GEヘルスケア・ジャパンDharmacon製品担当の大島です。

今回はゲノム編集をテーマとしたセミナーの質疑応答の中でよくsiRNAやshRNAについて言及することがあります。

ディスカッションを通して、これはノックダウンのほうが適している、という結論にいたることもあります。

そこで、簡単にsiRNAやshRNAによるノックダウンとゲノム編集によるノックアウトの手法比較をしてみました。

手法 ノックダウン ノックアウト 発現レベル変化 発現レベルの復元 誘導性 遺伝的コード変更
siRNAによる
ノックダウン
✔(短期的) ✔(低減)
shRNAによる
ノックダウン
✔(長期的) ✔(低減)
CRISPRによる
ノックアウト
✔(消失)

致死遺伝子の場合、あるいは遺伝子機能を完全に除去すると細胞障害を起こす場合、ノックアウトよりもノックダウンの方が適していることがあります。

また、遺伝子機能を一時的に低減させた後に元に戻したい場合、細胞にsiRNAを一過性で導入することで可能です。その後siRNAは消失し、正常な遺伝子機能が回復します。

shRNAを用いれば、長期に亘って遺伝子機能を低減させることが出来ますし、更に誘導性プロモーターにより時期をコントロールしたり、低減状態と正常状態を繰り返し行うことも可能です。実験の目的に合わせて、siRNA、shRNA、CRISPRを使い分けてください。

どれを使うべきか迷ったら、一人で悩まず、ぜひ私大島までご相談ください!

ここからは、siRNAやCRISPRに比べてDharmacon mailでは取り上げてこなかったshRNA製品と技術をご紹介します。
shRNAによるノックダウン実験の成功には、以下が重要になります。

  • Dicerによる正確なプロセッシングを受けるステムループ
  • オフターゲット効果を抑制
  • 低細胞毒性

それを実現するため、DharmaconではmicroRNAベースのshRNAを採用しています。microRNAベースのshRNAは、内在性microRNA転写産物の構造(ステムループ構造やセンス・アンチセンス鎖間のミスマッチなど)を模倣するようにデザインされています。

RNA Polymerase IIによる転写後に、内在性のRNase IIIであるDroshaにより核内でプロセッシングを受け、続いて細胞質に輸送されてDicerによるプロセッシングを受けた後にRISC複合体に取り込まれます。

microRNAベースのshRNAは、Drosha/Dicerによるプロセッシングを効率よく正確に受けるため特異的な遺伝子発現抑制が可能です。また、シンプルヘアピン型のshRNAに比べて細胞毒性の低いことが示唆されています。

microRNAベースのshRNA
microRNAベースのshRNA
シンプルヘアピン型のshRNA
シンプルヘアピン型のshRNA

References:
1. McBride, J.L et al. (2008) Artificial microRNAs mitigate shRNA mediated toxicity in the brain: Implications for the therapeutic development of RNAi. PNAS 105(15):5868-5873.
2. Beer, S. et al. (2010) Low-level shRNA cytotoxicity can contribute to MYC induced hepatocellular carcinoma in adult mice. Molecular Therapy 18(1):161-170.
3. Pan, Q. et al. (2011) Disturbance of the microRNA pathway by commonly used lentiviral shRNA libraries limits the application for screening host factors involved inhepatitis C virus infection. FEBS Letters 585:1025-1030.

Dharmaconでは、5つのshRNA製品を販売しています。それぞれの特徴や、製品選択ガイドはこちらからご覧いただけます。

その中でもDharmaconイチ押し!のSMARTvector製品は、microRNAベースのshRNAを改良したSMARTvector universal scaffoldを搭載しています。

このscaffoldは、内在性のmicroRNA転写産物を模倣するようにデザインされており、Drosh/Dicerにより正確にプロセッシングされるとともに、shRNAアンチセンス鎖のRISCへの優先的な取り込みを実現するため、より特異的な遺伝子ノックダウンが可能です。

SMARTvector製品の特長はこの他にも、使用する細胞に適切なプロモーターを7種類または4種類から選択可能なことや、導入効率を簡便にチェックするための蛍光マーカーを選択できることなどがあります。
本製品のテクニカルマニュアルはこちらからダウンロードいただけます。

PDF DL SMARTvector Lentiviral shRNA Technical manual PDF DL SMARTvector Inducible Lentiviral shRNA Technical manual

「shRNA実験を始めたいけど、何から取り組んだらいいか分からない・・・」
「shRNA実験がうまくいかなくて困っている・・・」
「高力価のレンチウイルスが欲しいんだけど・・・」

という方はどうぞご遠慮なく、ご要望をお寄せください。

また、GEヘルスケア・ジャパンでは、Tet-ON/OFFの発現系に適した特殊血清、Tetracycline screened FBSも取り扱っています。
これはEIA法によって、テトラサイクリン濃度が検出限界未満であることを確認したFBSです。血清・培地ブランドHyClone(ハイクロン)も併せてご利用下さい。

血清・培地ブランドHyClone(ハイクロン)の「特殊血清はこちら»」から

【Dharmacon製品に関する問合せはこちら】




この記事の筆者

大島

大島 英之
GEヘルスケア・ジャパンにてDharmaconの担当をしております大島と申します。
私の今年の目標は、「siRNA、ゲノム編集と言えばGEの大島へ!」のスローガンを皆さまに覚えていただくことといたしました。 今年も、さらにパワーアップして皆様のお役に立ちたいと思っております!

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