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細胞

2017-04-04 11:30:00

オートファジー研究の最前線とライブセルイメージングの難しさ

こんにちは、GEヘルスケア・ジャパンの波田野と申します。
高解像度・超解像度顕微鏡の担当として皆さまの研究に関するお問合せを日々電話にてサポートさせていただいております。

光学顕微鏡をお使いの方のサポートをさせていただいていると、次の課題として
「ライブセルイメージングによる生きたままの細胞での生命現象の解明」
を目標にしていらっしゃる方とお話をする機会がございます。その中でも、実際にやってみると、

  • シグナルが弱くて十分な情報がとれない
  • シグナルを十分に取るために励起光を強くすると細胞が死んでしまう
  • そもそも見たい現象が観察できているかどうかわからないデータが出てしまった

といった課題に直面している方も多いようです。
蛍光タンパク質を目的の遺伝子産物と融合して発現できても発現量が少ないと感度が必要になります。せっかく生きたまま観察するのに観察中に細胞が死んでしまっては元も子もありません。

そこで今回は、注目のオートファジー研究の最前線で活躍されるお客様が、これまで電子顕微鏡でしか観察できていなかった微細なオートファゴソームの形成プロセスを、初めて生きたままの動物細胞で観察した例をご紹介します。これまで観察を難しくしていた、見たいもののシグナルが暗いという課題をどう克服され、さらにはライブセルイメージングの条件の最適化のコツについて、具体的な事例となります。

お客様の声:

オートファゴソームの形成過程をライブで追う

東京大学 医学部・大学院医学系研究科 分子生物学分野 水島研究室
本田 郁子様

昨年オートファジー研究で大隅良典先生がノーベル医学賞を受賞され、さらに注目を集めるオートファジー研究。多くの遺伝子疾患やがん細胞の生存戦略にも重要な役割を果たすオートファジーをターゲットにした創薬も注目されています。

このオートファジー研究の飛躍的な発展のきっかけになったのが、大隅良典先生の酵母でのオートファジー遺伝子の発見でした。オートファジー遺伝子の発見は、たくさんの酵母の遺伝子変異株を光学顕微鏡で観察し、オートファジーの進行がおかしくなっているものを探し出すという大変地道な作業でした。

最近のオートファジー研究でも、光学顕微鏡を用いてオートファジーのメカニズムの解明が行われています。特に動物細胞でオートファジーの進行を生きたままの細胞内で観察できるようになったことが、新たなブレイクスルーとなっています。

中でも東京大学医学部分子生物学分野水島研究室本田郁子様のScience誌の発表では、最新の高解像度で高感度な顕微鏡が、これまで未解明だったオートファゴソームの成熟過程の新発見に重要な役割を果たしていました。そのなかで私たちは、本田様から次のライブセルイメージングのポイントについて次のようにお伺いしました。

  • 観察条件の最適化
  • 見たい現象をイメージする
  • 仮説をしっかり立てたうえで観察に臨む

また本田様は、ライブセルイメージングそのものの技術的な難しさではなく、あるポイントが重要であるとおっしゃっています。

今回見たい対象のシグナルが弱いという課題を克服する手段の一つとして、本田様は弊社DeltaVision Eliteをご活用いただいていました。
このDeltaVision Eliteは、弱いシグナルを効率よく観察するために、デコンボリューションという数学的演算を用いています。 一般に光はレンズを通る間に拡散する性質がありますが、このデコンボリューションは、レンズを通って拡散した光を、元の位置に戻す計算をすることで、よりコントラストの高い画像を取得する方法で、共焦点顕微鏡よりも光の利用効率が高く、さらに共焦点顕微鏡と同様の解像度が得られる利点があります。

本田様から頂いたご評価にもありましたように、DeltaVision Eliteでは、このデコンボリューションを行うためにソフトウェアだけでなく一つ一つの部品が厳選されている顕微鏡システムになっています。

そうは言っても・・・
「自分のサンプルで見ないと良いも悪いも評価しようがないなぁ。。。」という声が多いのも事実です。そこで!弊社では皆さまのサンプルでのお試し撮影(無料)も承っておりますので、ぜひご遠慮なくお声掛けください。

また、お試しサンプル撮影以外にも、【超解像度&高解像度】細胞の世界については以下よりお問合せください。

不定期ではございますが、役に立つ情報をお伝えさせていただきます。今後ともよろしくおねがいいたします!

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